第6章:ほかにもいろいろ、お客様とのエピソード集

高橋美恵子の日常・地元応援投稿

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6)ほかにもいろいろ、お客さまとのエピソード集

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新築の家を建てられたお客さま。

長年住んだ古い家を解体日に、こんなことがありました。

 

解体現場に一通の古い手紙が、ぽつんと落ちていたのです。

 

解体業者さんがあわただしく作業をしながら、私に

「このゴミ、捨てていいですよね」と言ってこられました。

 

「ちょっと待って」

私は、業者さんを止めました。

 

「なにか特別な事情があって

大切に今までとっておいた大切な手紙かもしれません。

ゴミだと決めつけないで、お客さんに聞いてみましょう」

 

お客さまにうかがってみると、それは確かに

大切な方から届いた思い出の手紙でした。

ご家族の方は、

「拾ってくれて、ありがとうございました」

と何度もお礼を言って、

古びた封筒を大事そうにかばんにしまわれたのです。

 

私は、決めつけたり、ジャッジしたりすることはしません。

それがゴミか、ゴミじゃないか。

大事なのか、大事じゃないのか。

それを私の基準で判断することは、決してしません。

 

判断する軸は、つねにお客さま、そのご家族にあります。

 

 

後日、私はその業者さんに伝えました。

 

「あなたにとってゴミだと思うものでも、

他の誰かにとってとても大事なものはたくさんあります。

ですから、どんなものでも大事に取り扱ってください」

 

 

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また、別のお客さまとのこんなエピソードがあります。

 

あるお宅の庭の片隅に植えられた木々のうち、一本の木を

ご家族の方は「お大師さん」と呼び、

みんなで大切にしているものなのだそうです。

 

御神木のような立派な木だと見分けもつきやすいのですが、

それは周囲の木々との区別がつかない感じです。

 

なので、現場を出入りされる業者さんたちは、

その木をぞんざいに扱おうとしていました。

さらには工事の都合上、この場所に木があるとやりづらいからと

その木を移動させようとすら、考えていました。

 

「待ってください」

 

私は業者の方みなさんに伝えました。

 

「お客さんはこの木をとても大事にされています。

仕事がやりづらくても、なんとか工夫して、この木を大切に扱ってください」

 

ご家族の方にも、ご説明しました。

「お大師さんへは、影響がいかないよう現場全体が気をつけて

工事を進めていますので、どうかご安心ください」

 

私の話を聞いたお母さんがホッとした表情をされていました。

 

 

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